市町村職員退職手当支給条例の運用方針

 

平成12年2月24日岩総合第908

各構成団体長あて 管理者通知

 

改正

平成13 2 6日岩総合第865

 

平成16 325日岩総合第841

 

平成20 520日岩総合第140

 

平成22 223日岩総合第726

 

平成251022日岩総合第544

 

平成28 223日岩総合第737

 

令和 41221日岩総合第549

 

令和 5 331日岩総合第797

 

第2条関係

  市町村職員退職手当支給条例(昭和34年岩手県市町村職員退職手当組合条例第4号。以下「条例」という。)第2条第2項に掲げる者が、同項に規定する「職員について定められている勤務時間以上勤務した日」が1月において18日(1月間の日数(地方自治法(昭和22年法律第67号)第4条の2第1項の規定に基づく組合市町村等の条例で定める日の日数は、算入しない。)が20日に満たない日数の場合にあっては、18日から20日と当該日数との差に相当する日数を減じた日数)に満たないことが客観的に明らかとなった場合には、その日をもって退職したものとして取り扱うものとする。

第2条の3関係

  条例第2条の3ただし書に規定する「特別の事情がある場合」とは、例えば次に掲げる場合をいう。

  (1) 退職手当審査会に諮問した場合等で、退職手当の支給手続に相当な時間を要するとき。

  (2) 基礎在職期間に条例第6条の2第2項第2号から第19までに掲げる在職期間が含まれると考えられる場合であって、その確認に相当な時間を要するとき。

第4条関係

 1 条例第4条第2項の規定は、次の各号に掲げる者に対しては適用しない。

  (1) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第28条の6第1項の規定により退職した者(同法第28条の7第1項の期限又は同条第2項の規定により延長された期限の到来により退職した者を含む。)又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者

  (2) 定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者(第1号又は第3号に該当する者を除き、次のいずれかに該当する者を含む。)

   ア 地方公務員法の一部を改正する法律(令和3年法律第63号。以下「令和3年地方公務員法改正法」という。)附則第3条第5項に規定する旧地方公務員法勤務延長期限若しくは同条第6項の規定により延長された期限の到来により退職した者又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者

   イ 令和3年地方公務員法改正法附則第3条第5項に規定する旧地方公務員法勤務延長期限若しくは同条第6項の規定により延長された期限の到来前に退職した者又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者

  (3) その者の非違によることなく勧奨を受けて退職した者

  (4) 法律の規定に基づく任期を終えて退職した者(第1号に該当する者を除く。)

  (5) 11年未満の期間勤続した者であって、60歳に達した日以後その者の非違によることなく退職した者(条例附則第21項各号に掲げる者及び前4号に該当する者を除き、第2号ア又はイに該当する者を含む。)

  退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。

第5条関係

 1 条例第5条第1項第3号に規定する「その者の事情によらないで引き続いて勤続することを困難とする理由により退職した者」とは、例えば次に掲げる者をいう。

  (1) 勤務公署の移転により退職した者

  (2) 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成18年法律第51号)第31条第1項に規定する実施期間の初日以後1年を経過する日までの期間内に、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて同項に規定する対象公共サービス従事者となるために退職した者

  条例第5条第1項第5号の規定の適用については、次に定めるところによる。

  (1) 「定年前」とは、定年に達する日前をいい、「定年に達する日」の計算方法は、年齢計算ニ関スル法律(明治35年法律第50号)の定めるところによる。

  (2) 「年齢以上の年齢」の単位は、年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年法律第96号)第1項の定めるところによる。

 3 退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、第4条関係第2項に定めるところによる。

  条例第5条第2項の規定の適用については、次の各号に定めるところによる。

  (1) 「定年に達した日」の計算方法は、年齢計算ニ関スル法律の定めるところによる。

  (2) 「定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者(前項の規定に該当する者を除く。)」とは、次に掲げる者のうち、その者の都合により退職した者をいう。

   ア 定年に達した日以後定年退職日の前日までの間において、その者の非違によることなく退職した者

   イ 地方公務員法第28条の7第1項の期限又は同条第2項の規定により延長された期限の到来前にその者の非違によることなく退職した者

   ウ 令和3年地方公務員法改正法附則第3条第5項に規定する旧地方公務員法勤務延長期限若しくは同条第6項の規定により延長された期限の到来前にその者の非違によることなく退職した者

   エ イ又はウに掲げる規定に準ずる他の法令の規定により勤務した後その者の非違によることなく退職した者

  (3) 条例第5条第2項の規定は、令和3年地方公務員法改正法附則第3条第5項に規定する旧地方公務員法勤務延長期限若しくは同条第6項の規定により延長された期限の到来により退職した者又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者に対しても適用されるものとする。

第6条関係

 1 条例第6条第1項第3号及び第8号に規定する「定年前」とは、第5条関係第2項第1号に定めるところによる。

 2 条例第6条第1項第6号の規定の適用については、第5条関係第1項に定めるところによる。

 3 条例第6条第1項第8号に定める「年齢以上の年齢」の単位は、第5条関係第2項第2号に定めるところによる。

 4 退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、第4条関係第2項に定めるところによる。

 5 条例第6条第2項の規定の適用については、第5条関係第4項に定めるところによる。

第6条の2関係

 1 「給料月額の減額改定」には、職員が引き続いて職員以外の地方公務員、国家公務員、公庫等職員又は特定一般地方独立行政法人等職員その他職員以外のもの(以下「職員以外の地方公務員等」という。)となり再び職員となった場合において、当該職員以外の地方公務員等としての在職期間中に給料月額の減額改定が行われたことにより再び職員となったときの給料月額が先の職員として受けていた給料月額より少なくなった場合を含むものとする。

 2 「給料月額が減額されたことがある場合」とは、職員として受ける給料月額が減額されたことがある場合をいい、例えば次に掲げる場合はこれに該当しない。

  (1) 職員以外の地方公務員等としての在職期間においてその者の給料月額が減額された場合

  (2) 職員以外の地方公務員等から職員となった場合において職員以外の地方公務員等を退職した際に受けていた給料月額より当該退職に引き続いて職員となった際に受けていた給料月額が少ない場合

 3 「給料月額の減額改定以外の理由」には、職員がその者の給料表の適用を異にして異動した場合において当該異動後に受けていたその者の給料月額が異動前に受けていたその者の給料月額より少ない場合を含む。

第6条の3関係

 1 「定年に達する日」の計算方法は、第5条関係第2項第1号に定めるところによる。

 2 「定年に達する日から6月前まで」の期間の計算方法は、民法(明治29年法律第89号)第143条の規定を準用するものとする。

 3 「退職の日におけるその者の年齢」の単位は、年齢のとなえ方に関する法律第1項の定めるところによる。

10条の4関係

 1 条例第10条の4第1項に規定する「要請」とは、任命権者又はその委任を受けた者が、職員に対し、特定一般地方独立行政法人等職員として在職した後再び職員に復帰させることを前提として、一般地方独立行政法人等に退職出向することを慫慂する行為をいう。

 2 条例第10条の4第2項に規定する「要請」とは、一般地方独立行政法人等が、特定一般地方独立行政法人等職員に対し、職員として在職した後再び特定一般地方独立行政法人等職員に復帰させることを前提として、組合市町村等に退職出向することを慫慂する行為をいう。

11条の2関係

  条例第11条の2第1項に規定する「要請」とは、任命権者又はその委任を受けた者が、職員に対し、特定法人役職員として在職した後再び職員に復帰させることを前提として、特定法人に退職出向することを慫慂する行為をいう。

14条関係

 1 条例第14条第1号に規定する「その他の職員としての身分を当該職員の非違を理由として失わせる処分」とは、地方公務員法の適用を受けない職員が、他の法令の規定により地方公務員法第29条の規定に実質的に該当する場合をいう。

15条関係

 1 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることを検討する場合は、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該退職をした者が行った非違の内容及び程度」について、次のいずれかに該当する場合に限定する。その場合であっても、公務に対する信頼に及ぼす影響に留意して、慎重な検討を行うものとする。

  (1) 停職以下の処分にとどめる余地がある場合に、特に厳しい措置として懲戒免職等処分とされた場合

  (2) 懲戒免職等処分の理由となった非違が、正当な理由がない欠勤その他の行為により職場規律を乱したことのみである場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

  (3) 懲戒免職等処分の理由となった非違が過失(重過失を除く。)による場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

  (4) 過失(重過失を除く。)により禁錮以上の刑に処せられ、執行猶予を付された場合であって、特に参酌すべき情状のある場合

 2 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、当該退職をした者が占めていた職の職務に関連した非違であるときには処分を加重することを検討すること等により、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任」を勘案することとする。

 3 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、過去にも類似の非違を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがある場合には処分を加重することを検討すること等により、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該退職をした者の勤務の状況」を勘案することとする。

 4 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、当該非違が行われることとなった背景や動機について特に参酌すべき情状がある場合にはそれらに応じて処分を減軽又は加重することを検討すること等により、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該非違に至った経緯」を勘案することとする。

 5 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、当該非違による被害や悪影響を最小限にするための行動をとった場合には処分を減軽することを検討し、当該非違を隠蔽する行動をとった場合には処分を加重することを検討すること等により、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該非違後における当該退職をした者の言動」を勘案することとする。

 6 一般の退職手当等の一部を支給しないこととする処分にとどめることとすることを検討する場合には、例えば、当該非違による被害や悪影響が結果として重大であった場合には処分を加重することを検討すること等により、条例第15条第1項ただし書に規定する「当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度」を勘案することとする。

16条関係

 1 条例第16に規定する支払差止処分を行うに当たっては、公務に対する信頼確保の要請と退職者の権利の尊重に留意しつつ、厳正かつ公正に対処するものとする。

 2 条例第16条第2項第1号に規定する「その者に対し一般の退職手当等の額を支払うことが公務に対する信頼を確保する上で支障を生ずると認めるとき」とは、当該退職者の逮捕の理由となった犯罪又はその者が犯したと思料される犯罪(以下「逮捕の理由となった犯罪等」という。)に係る法定刑の上限が禁錮以上の刑に当たるものであるときをいう。

 3 条例第16条第4項の規定に基づき、支払差止処分後の事情の変化を理由に、当該支払差止処分を受けた者から当該差止処分の取消しの申立てがあった場合には、事情の変化の有無を速やかに確認しなければならない。

 4 前項の場合において、取消しの申立てに理由がないと認める場合には、その旨及び当該認定に不服がある場合には行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき審査請求ができる旨を速やかに申立者に通知するものとする。

 5 条例第16条第5項ただし書に規定する「その他これを取り消すことが支払差止処分の目的に明らかに反すると認めるとき」とは、支払差止処分を受けた者が現に勾留されているときなど、その者が起訴される可能性が極めて高いと認められるときをいう。

 6 条例第16条第7項に規定する「一般の退職手当等の支払を差し止める必要がなくなった」と認める場合とは、例えば次に掲げる場合をいう。

(1) 退職をした者の逮捕の理由となった犯罪等について、犯罪後の法令により刑が廃止された場合又は大赦があった場合

  (2) 退職をした者の逮捕の理由となった犯罪等に係る刑事事件に関し公訴を提起しない処分がなされた場合

  (3) 退職をした者が、その者の逮捕の理由となった犯罪等について、法定刑の上限として罰金以下の刑が定められている犯罪に係る起訴をされた場合又は略式手続による起訴をされた場合

17条関係

  条例第17条第1項の規定により一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うに当たっては、当該処分を受ける者が条例第15条第1項各号に該当していた場合に同項の規定により受けたであろう処分と同様の処分とすることを原則とするものとする。

18条関係

 1 条例第18条第1項の規定による一般の退職手当等の返納の手続については、地方自治法(昭和22年法律第67号)の定めるところによる。

 2 条例第18条第1項の規定による処分により返納を命ずる一般の退職手当等の額は、第15条関係各項に規定する基準のほか、条例第18条第1項ただし書に規定する「当該退職をした者の生計の状況」を勘案して定める額とする。

 3 条例第18条第1項ただし書に規定する「当該退職をした者の生計の状況」を勘案するに当たっては、退職手当の生活保障としての性格にかんがみ、当該退職をした者又はその者と生計を共にする者が現在及び将来どのような支出を要するか、どのような財産を有しているか、現在及び将来どのような収入があるか等についての申立てを受け、返納すべき額の全額を返納させることが困難であると認められる場合には、返納額を減免することができることとする。

 4 当該一般の退職手当等の支払に際して源泉徴収した所得税及び住民税の額については、岩手県市町村総合事務組合の管理者(以下「管理者」という。)が還付請求を行う。したがって、当該税の額については、返納を命ずる額からは減じないが、当該退職をした者に対する納入告知の額からは減ずることとする。

19条関係

 1 条例第19条第1項の規定による一般の退職手当等の返納の手続については、地方自治法の定めるところによる。

 2 条例第19条第1項の規定による処分により返納を命ずる一般の退職手当等の額は、第15条関係各項に規定する基準のほか、条例第19条第1項ただし書に規定する「当該遺族の生計の状況」を勘案して定める額とする。

 3 条例第19条第1項ただし書に規定する「当該遺族の生計の状況」を勘案するに当たっては、退職手当の生活保障としての性格にかんがみ、当該遺族又はその者と生計を共にする者が、現在及び将来どのような支出を要するか、どのような財産を有しているか、現在及び将来どのような収入があるか等についての申立てを受け、返納すべき額の全額を返納させることが困難であると認められる場合には、返納額を減免することができることとする。

 4 当該遺族が当該一般の退職手当等について納付した又は納付すべき相続税の額については、当該遺族が還付請求を行うことができる。したがって、当該税の額については、返納を命ずる額からは減じない。

20条関係

 1 条例第20条第1項から第5項までの規定による処分を行うに当たっては、当該処分を受けるべき者は非違を行った者ではないことを踏まえ、個別の事案ごとに諸事情を考慮した運用をするものとする。

 2 条例第20条第1項から第5項までの規定による一般の退職手当等に相当する額の納付の手続については、地方自治法の定めるところによる。

 3 条例第20条第1項から第5項までの規定による処分により納付を命ずる一般の退職手当等の額は、第15条関係各項に規定する基準のほか、次の第4項から第8項までを勘案して定める額とする。

 4 条例第20において、当該一般の退職手当等の額には、源泉徴収された所得税額及び住民税額又はみなし相続財産とされて納入した若しくは納入すべき相続税額を含まないものとする。

 5 条例第20条第1項ただし書に規定する「当該退職手当の受給者の相続財産の額」を勘案するに当たっては、当該相続財産の額が当該一般の退職手当等の額よりも小さいときは、当該相続人の納付額の合計額を当該相続財産の額の範囲内で定めることとする。

 6 相続人が複数あるときは、原則として、相続人が実際に相続(包括遺贈を含む。)によって得た財産の価額に応じて按分して計算した額を勘案して各相続人の納付額を定める。ただし、納付命令の時点で遺産分割がなされていない場合には、当該相続人が相続放棄をした場合を除き、民法の規定による相続分により按分して計算した額を勘案して各相続人の納付額を定めることとする。

 7 条例第20条第1項から第5項までの規定による処分を受けるべき者が納付すべき額は、当該者が相続財産を取得したことにより納付した又は納付すべき相続税の額についての申立てを受け、当該税の額から、当該相続財産の額から当該一般の退職手当等の額を減じた額の相続であれば納付したであろう相続税の額を減じた額を控除して定めることとする。

 8 条例第20条第1項ただし書に規定する「当該退職手当の受給者の相続人の生計の状況」を勘案するに当たっては、退職手当の生活保障としての性格にかんがみ、処分を受けるべき者又はその者と生計を共にする者が現在及び将来どのような支出を要するか、どのような財産を有しているか、現在及び将来どのような収入があるか等についての申立てを受け、納付すべき額の全額を納付させることが困難であると認められる場合には、納付額を減免することができることとする。

21条関係

 1 条例第21各項の規定による退職手当審査会への諮問事項は、同条第2項に該当する処分の処分案とする。

 2 管理者は、退職手当審査会に対し、前項の処分案とともに、当該事案の内容及び処分案の理由を併せて提示するものとする。

附則第19項関係

  条例附則第19項の規定は、次の各号に掲げる者に対しても適用されるものとする。

  (1) 令和3年地方公務員法改正法附則第3条第5項に規定する旧地方公務員法勤務延長期限若しくは同条第6項の規定により延長された期限の到来前にその者の非違によることなく退職した者又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者

  (2) 前号の期限の到来により退職した者又はこれに準ずる他の法令の規定により退職した者

附則第20項関係

  条例附則第20項の規定は、附則第19項関係各号に定める者に対しても適用されるものとする。